豊かな自然に恵まれたブルガリア。香料用のバラの産地として世界的に知られ、ブルガリアのバラから抽出されるエッセンスは、他国で栽培されるバラよりも豊かな香りを持ち、フランスを始め、ヨーロッパの香水や高級化粧品の原料として人気を集めています。
なかでも、ブルガリア中央部、バルカン山脈とスレドナ・ゴラ山脈に挟まれたダマスク地方は「バラの谷」と呼ばれ、1万4千平方キロメートルにも及ぶ、ブルガリアのバラ栽培における中心地。
このバラ渓谷に位置するカザンラク地方、タルケネ村。ラヴィタエのソアビータ ダマスクローズ ウォーターはここタルケネ蒸留所で生まれます。
エッセンシャルオイル国際大会においてユネスコから金賞を受賞したタルケネ蒸留所では、ローズオイルやローズウォーターを集中的に生産しています。ここで生産されるローズオイルは独特な特徴を有する点で世界的に知られています。高品質な製品を提供するために技術改革を進めると同時に旧ブルガリアン蒸留所の特異な技術及び整備を保持するように努めています。
5月になると、谷にバラが咲き乱れ、芳醇なバラの香りが広がります。街中がバラの香りに包まれる収穫時期にはバラ祭りが開かれ、美しい民族衣装に身を包んだ少女たちがバラを摘む姿が見られます。その美しい自然に育まれた“バラの中のバラ”(Rose of Roses)と言われているのが世界最高級のブルガリア産【ダマスクローズ】です。
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ブルガリアのダマスクローズの歴史
ブルガリアとダマスクローズの関係は、今から300年以上も前に始まりました。
当時ブルガリアを支配下に治めていたオスマントルコが優れた聖水を造ろうと、アロマとしての効果と熱に強いということからダマスクローズをシリアから持ち込んだといわれています。ダマスクローズを煮て蒸留し、できたローズウォーターは聖水として重宝されました。蒸留過程でできるローズオイルは当初、ローズウォーター精製の副産物でしかなかったといわれています。ローズオイルが脚光を浴びたのは17世紀後半からで、ヨーロッパの香水・化粧品業界からの注目を浴びてからの事です。
ダマスクローズはブルガリア以外にもトルコ、イラン、エジプトなどでも栽培されてきましたが、豊富で良質な天然水、水はけの良い土壌、温暖な冬と高い湿度という「バラの谷」の気候が香り高いバラを育むといわれ、ブルガリア産ダマスクローズは300年以上もの間、最高級とされてきました。
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ブルガリアのミネラルウォーター
ソアビータ・ダマスク・ローズウォーターはブルガリアの山から湧き出るミネラルウォーターを使って精製されます。ブルガリアはミネラルウォータの種類の豊富な土地で、1000以上の様々な化学組成や温度の湧き水が1日に約4億リットルも採水されます。今では年間1000リットルものミネラルウォーターが生産され、アメリカやヨーロッパ諸国に輸出されています。
ブルガリアのミネラルウォーターの効能は古代ローマ帝国の時代から知られ、酸性、アルカリ性とあり、酸性のミネラルウォーターは、肝臓や胆嚢に効き目があり、アルカリ性のミネラルウォータは整形外科、神経、婦人科に効果があるといわれています。
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ダマスクローズは、一年のうちでも5月中旬から6月の中旬の約1ヶ月しか収穫できません。開花直後に香り成分をいちばん多く含むことから、早朝、朝日が昇る前に収穫が始まり、村人達総出で花びらを手摘みで集めます。太陽が昇ると、その温度でバラの中に含まれる精油成分が揮発してしまうからです。
そして、摘み取られた花はその日のうちに、山から湧き出る地下水を使って約120℃の蒸気で蒸留します。その蒸留の過程で、上層に浮かんだ精油(ローズオイル)を抽出し、その下層にはバラの成分と香りがたっぷり溶け込んだローズウォーターが出来上がります。
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